【速報!第65回小中高合同体育大会➀(午前の部)】

 愛徳学園ならではの行事はいくつもありますが、中でも非常に特徴的なものが小中高合同で行われる体育大会でしょう。中高合同というのは時々聞きますが、小中高合同は全国的に珍しい取り組みです。それを実現してしまうところが愛徳学園のダイナミックなところです。しかもグリーンアリーナ神戸のメインアリーナを使用しますので、天候の心配はまったくなし。冷房完備で観客席は12学年の全てのご家族が来ていただいてもまだ余裕があるのです。そして、この体育大会は、基本的には中学生や高校生たちが中心となって運営するのです。役割分担表を見ていて驚いたのは中高生の全員の名前がどこかの係に必ず入っていることです。まさに全員が運営スタッフなのです。場合によっては、係の仕事をしていたと思ったら、次の瞬間自分の競技で走り、座席につく間もなく放送や別の役割、そしてまた走る……。まあ愛徳生のよく走ること。そうして、もちろんその誰もが嫌な顔ひとつせず、笑顔でこの行事のために、参加者全員のために、極めて奉仕的に働くのです。閉会式後の後片付けさえも笑顔なのです。なんと清々しいことでしょう。
 
 体育大会は競技ですから確かに勝ち負けや順位があります。小学生であれば紅組と白組。中高生は学年対抗で、これは真剣勝負です。自分のチーム、学年が出れば当然応援は白熱します。しかし、勝負が終わったあとはお互いを精一杯称えます。皆がお互いをリスペクトしているのです。『赤毛のアン』(モンゴメリ)にも次のような言葉が出てきます。「一生懸命やって勝つことの次にいいことは、一生懸命やって負けること」。勝つことが大切なのではなく、一生懸命取り組むことが最も尊いことなのです。
 
 さて、合同体育大会。各学年、個性溢れるスローガンを掲げ、それぞれの全力を存分に発揮してくれました。クラブ de AITOKU(クラブ対抗リレー)では教員チームも結成され、筋肉痛を恐れるどころか攻めに攻める攻撃的祈りのランを展開する大人たちにも惜しみない拍手をいただきました。皆さん本当にありがとうございます。なお、各学年が掲げたスローガンは以下のとおりです。
 
  中1 団結力を高めて楽しい体育大会にしよう

  中2 団結して燃えろ!We can enjoy !

  中3 赤魂注入!

  高1 雑草魂

  高2 全力疾蒼!!

  高3 桜梅桃李

  先生 やっぱり あいとく はしってる
 
 どれもその学年の個性が出ていて味わい深いものになりました。目標どおりのがんばりを見せてくれました。以下各競技の感想です。
 
1.ラジオ体操…準備体操の超王道。全12学年と先生たちが広いアリーナで一斉にラジオ体
  操をする姿は壮観で気持ちの良いものです。
2.走れ愛徳っ子…小学生の白熱した競争で会場もヒートアップ。さすが高学年の貫禄で
  す。
3.WA・NA・GE…中高の選ばれし者たちが、フープを駆使し、飛んだり跳ねたり腰で回
  したり。ありとあらゆるフープの技を披露してくれました。ラストはバトンパスの代
  わりにフープを投げるのですが、これはもう神業です。1位は中盤からぐいぐい攻めた
  高2、2位は序盤から圧倒的速さを見せてくれた高3、3位は中学の部を制した団結力
  の中2、4位はじわじわとスピードアップした中3、5位は凜として、着実にフープを
  コントロールした高1、6位は堅実に誠実に競技をまっとうした中1でした。皆さん素
  敵でした。
4.全集中…これは小学生1~3年生のかけっこですが、ネーミングの通り全神経を集中し
  て走る姿には胸を打つものがありました。我が子の成長と一生懸命の姿を、涙をこらえ
  て見つめている保護者の姿が目に浮かびます。中高生の応援もひときわ大きかったと思
  います。
5.ペアで5GO!!…ペアで横並びで走ったかと思ったらその2人で縄跳び、網くぐり、デカ
  パンジャンプ、ボールをはさむ、そして二人三脚。これだけのことを全力疾走でプレー
  するとは、恐るべき愛徳生。この競技は途中ボールの落下や二人三脚の紐結びなどに時
  間ロスが発生、激しく順位が入れ替わるドラマチック競技と化しました。このデッドヒ
  ートを制したのは高3で、2位は中2、3位は高1、4位は高2、5位は中1、6位は
  中3でした。
6.小学生ダンス…小学生全員が協力して力強いダンスをする様子はまさに「新時代」の到
  来を確信しました。それにしてもグリーン・ピンク・シルバー・イエローの鮮やかなポ
  ンポンがとにかく美しかったです。
7.Hurry Up!!…課題コーナーに向かって手をつないで走り、課題を解決せねばゴールでき
  ない過酷なレース。レインボープログラムをすべて詰め込んだ競技ですが、とにかく急
  がないとだめなのです。事前に「校長先生も出てください」と言われましたので軽く返
  事をしたら本番でアロハ上下を着て走ることに。しかし高3の向井さん・山邉さんと一
  緒にゴールできたので、恥ずかしいというよりは誇らしい気持ちになりました。
8.くるくるジャンプ…これは長縄を八の字でどんどん飛んでいくのですが、制限時間は2
  分。どれだけ多く飛べるかの真剣勝負。これを制したのは見事なチームワークで圧倒的
  回数を飛んだ高3の214回。以下高2は183回、中3は170回、高1は156回、中2は153
  回、中1は126回でした。高3が抜ける来年が今から楽しみです。
9.ビッグボール…文字通りビッグボール(大玉)を小中高の全員が2チームに分かれて転
  がし、第1コーナーをまがってからは頭上で運び、1周回ってゴールを目指す。まさに
  愛徳ワンチームの真骨頂です。小中高校のすべての児童生徒でプレーする姿は圧巻で、
  この体育大会の中心的種目ということができます。結果は2回戦でいずれも僅差で勝っ
  た紅組が優勝でした。
10.応援合戦…実は私がもっとも注目し、期待していた種目。入退場を含めて2分の制限の
  なか、学年カラーを最大限表現して全員で応援する。走るスピードや体力など年齢に
  関係のないこの種目を制覇したのは裸足で本気のソーラン節を演じ、99点をたたき出
  した高3。続いて愛徳学園天国でアイデア満載かつ統一感のあった高2が92点、もはや
  63回生のキャッチフレーズとなったYDGではちまき文字も完璧だった中3は87点、入場
  の際のスピードがダントツで躍動感あふれる中2は84点、シンプルかつ笑顔がどこまで
  もチャーミングだった高1が80点、オムライスに始まり徹底的に黄色にこだわったさわ
  やかな中1は75点というハイレベルな闘いとなりました。
11.新体操部の演技…見事でした。中1から高3までの部員が呼吸を合わせ、本気で演技をす
  る姿には気高く強く美しいもので、いつまでも会場を魅了していました。いつも新体操
  部の姿には感動する私も初めてみたゴースの演技は感激して涙が出ました。
 
 『午後の部』に続きます。(校長 松浦直樹)