【学園祭盛大!】

 学園祭を8日後に控えた先週水曜日のお昼休みに突然誰かが校長室をノックしました。急いで出てみると全校委員体育・文化(生徒会執行部)の堀内さんと大西さんが笑顔で立っているではありませんか。2人は私の目を見るなり「学園祭の全校委員のステージで一緒に踊ってくれませんか」と言ってきたのです。一瞬焦りましたが、サンプルの動画を見せてもらうと、聞いたことのある曲だったので何とかなると思い、「楽しそうですね。教えてくれるなら一応やってみましょう」と返事をしました。

 私の中では気楽に考えていて、その日の放課後か、遅くとも翌日にはレッスンをしてくれるだろうと高をくくっていたのですが、結局誰にも教えられないまま週末を迎えました。月曜日になり、リハーサルをしている全校委員の様子を見てみると、当たり前ですがちゃんと練習しています。極秘裏に練習している全校委員担当の先生方も特訓のあとは汗びっしょりになって職員室に戻ってこられます。これはまずいと思い、私も見よう見まねで練習したダンスを見てもらおうと全校委員室にお願いに行くと、屈託のない笑顔で「いいですよ」「やりましょう」と堀内さん。その後二人で秘密特訓をしたというわけです。結果は皆さん見てのとおりで、メンバー全員息の合ったステージになったと思っています。先生たちも含めて練習でフルメンバーがそろうことは本番まで実現しませんでしたが、よくあれだけのことができたなと、改めて愛徳生のバイタリティに感心しました。樹山さん・高橋さん・堀内さん・稗田さん・森さん・大西さん・金澤さん・山根さん・飯田さん・秤さんと阿部先生・荒谷先生・石原先生・津久井先生と私の総勢15人のチームワークに対する温かい声援と、会場の皆さんの笑顔は記録的だったと思います。多忙を極める先生たちのダンスは1日目の校内発表の時だけのサプライズでしたが、あまりの反響に2日目も都合をつけて踊ってくださることになりました。

 

 それにしても愛徳学園の生徒は多彩です。どの発表も創意工夫があり魅力的でした。オープニングでしっかり全校委員総務として挨拶をした樹山さんは、有志ステージではK-popのキレキレダンスパフォーマンスを一人でやってのけました。有志といえばトリを飾った嘉茂さんの『幻想即興曲』は表現力が圧巻で、まるで本物のショパンのコンサート会場にいるようでした。将来どんなピアニストになるのかワクワクします。

 ESS部の発表は英語劇『アラジン』です。これは1学期に行った全校生徒の投票によって決まった演目ですが、ESS部の大坪さん・木永さんに加え、助っ人女優として名乗り出た中島翔帆さん・入子さん・鎌田さん・嘉茂さん・山本さんらの協力なくして完成は見なかったでしょう。それにしてもあの発音の美しさ、セリフも含め、すべて完璧に頭に入っていたメンバー全員の聡明さに感動以上の感動があり、『A Whole New World』を二人で歌うシーンには涙が出ました。

 体育科のダンスパフォーマンスはこれがまた非常にアイデア満載で、いつ練習したのか不思議なくらい完成度の高いものでした。キュートな高1の精鋭ダンサーズは東さん・兒玉さん・西海さん・松尾さん・松下さんの5人、高3のスクールメイツ顔負けのプリティダンサーズは岡田さん・住野さん・善家さん・中戸川さん・中山さん・舩瀬さん・前田さん・山根さんと、なんとも軽快に登場したミス新体操のエレガント阿部先生と、酸欠にもがきながら独特のペースでT-REXに扮した山田先生も加わってのボリューミーでキュートなダンスでした。

 浴衣ファッションショーは65回生全員がパリコレ状態でステージを往復、ラストに愛徳の赤胴鈴之助の異名を持つ斎藤先生と、ルーキー長身スイマー石谷先生が剣道着で登場、会場のボルテージは一気に最高潮に達しました。中2の母なる石原先生・家庭科の守護神松森先生とともにボランティアの保護者の方も着付けを手伝ってくださり、まさに愛徳ファミリーの真骨頂というにふさわしいファッションショーになりました。近くを歩いてくる中2に対して上級生たちが「カワイイー」と声援を送る姿も微笑ましかったです。

 毎年恒例のビブリオバトルもクオリティが高く、5分という制限時間を余すことなく使って本の魅力を伝えてくれた森脇さん・永沼さん・梶川さん・井上柚杏さん・永野さんが激アツの知的書評合戦を繰り広げてくれました。全校生徒を惹きつけた話術で一度読んだ本も今回初めて知った本もぜひ読みたいと思わせるものでした。即日投票の結果、チャンプ本には永沼さんが紹介してくれた『窓際のトットちゃん』、準チャンプ本には井上さんが紹介してくれた『さよならドビュッシー』が選ばれました。

 今年の3月にあったオーストラリア研修の報告会は住野さん・堀内さん・入子さん・鎌田さんがオーストラリアの魅力をたっぷり盛り込んだ楽しいプレゼンテーションでしたが、ももちろん本場仕込みのオールイングリッシュに感服しました。ESSの劇でも思いましたが、愛徳学園の英語は本物だなと自信をもって言えます。

 吹奏楽部の演奏はたっぷり25分、心温まる演奏で時間を忘れるほどでした。これは受験の真っ只中にいる高3の部員も一緒に演奏するというもので、大変な時期でもこういう場面で最高学年の高3が出演することに愛徳学園の本気のメリハリを見ることができます。引退の挨拶をしてくれた後藤さんと齋藤さんのスピーチに、思わずもらい泣きしてしまいました。愛徳学園に来てから涙腺が弱くなったと思います。

 高3といえばパンフレット表紙絵の最優秀賞に岡田さんが選ばれ、昨日表彰されました。いつも思いますが、このように何か公募した時に、こたえてくれるのも愛徳生の素敵なところです。

 また、体育大会の時もそうでしたが、愛徳学園の誇る放送委員会の齊藤さん・山中さん・大坪さん・兒玉さん・永沼さん・正井さん・横山さん・上林さん・中島みもなさんは、この学園祭でも本領を発揮、少しでも心地よいステージになるように連日連夜何度も調整してくれていました。また、ステージ発表のボランティアスタッフとして照明等の裏方を買って出てくれた梶川さん・東さん・本村さん・森山さん・藤田さん・武藏さんには、黙々と、しかしすべらかで安定したスポットライトワークにプロの姿を見ました。

 愛徳学園の学園祭のもう一つの魅力は体育館2階のキャットウォークと校舎4階のピロティに設けられた学術展示コーナーで、展示内容の充実度には思わず息をのみます。事実私もじっくり眺めたりレポートを読んだりしていると、気が付いたら平気で1時間とか経っていました。ここは私のイチ押しコーナーです。学園祭が「学芸発表会」という名称であった頃の伝統がしっかりと根付いているところだと思います。

 最後は身内に向けて、となりますが、陰に日向に準備・運営に連日汗を流して動き回ってくださった先生方にも感謝します。愛徳学園の強みはどの立場の人も、おかれた場所で精いっぱい、献身的に努力する集団であるというところです。そして、本日は様々な場所で本当にたくさんの保護者の方々から温かい声をかけていただきました。ゆっくりお話しできなかった方もいらっしゃったのが心残りです。また学園にお越しの際には気軽にお声掛けください。本日は誠にありがとうございました。(校長 松浦直樹)