【小中高合同体育大会目前】

 先週のRT(レインボータイム)は小中高校生全員がグラウンドに集まり、9月20日に行われる合同体育大会の開会式・閉会式の流れを確認しました。全12学年が一つになって行事に向かう姿は無条件に美しいものです。この様子を見ていて私はある場面で感動していました。それはラジオ体操です。近年は運動を始める際に様々なウォーミングアップが考案されていますが、私の関わった学校は例外なく体育の場合ラジオ体操を実施していました。あの前奏のピアノがなった瞬間、体は「伸びの運動」の準備に入ります。もはや条件反射で、自然と体が動くのです。たとえば海外に行ってこの音楽を鳴らせばどんな日本人も体が動いてその場で体操が始まるでしょう。それを見た人はきっと喜びと感動の渦に包まれるはずです。ラジオ体操はもはや日本の文化と言ってもよいほど体の奥に染み付いたものかも知れません(簡易保険加入者協会の2023年のアンケートによると、73.1%の人が「ラジオ体操は日本の文化である」と回答しています)。

 さて、私はこれまで様々な中高生を見てきましたが、このラジオ体操を完璧にやり切るのはなかなか難しいのです。もちろん体育の先生などは見事に全身運動を披露してくれるのですが、本気でやるのはなかなか大変です。特にはじめから2番め(うしろから2番めも同じ)の「腕と足の運動」では、私の経験では多くの生徒はかかとをつけずぴょこんと曲げる程度しか足を動かしませんので膝は開きません。しかし、かかとをつけ、正しい姿勢でしっかりと体操すれば自然と膝は開くのです。そして同様に腕を交差させたあと、その腕を左右に大きく開くのですが、だらしなく回せば足は地面についたままです。ところが、この日の愛徳生はほとんどが、くっつけたかかとを浮かせてきちんとつま先立ちで伸びているのです。見ていてとても気持ち良いし、何よりも美しいです。こういう細部にまで心が行き届いているところが愛徳学園のたまらない魅力のひとつですね。

 ラジオ体操ごときでなにをそんなに熱くなっているのかと問われそうですが、ラジオ体操は全身運動ですから、正しく行うことで内臓機能や心肺機能の向上に効果があるのです。小中高校生が一堂に会し、真っ直ぐな姿勢で真面目に体育大会に挑んでゆく。まさに「気高く、強く、美しく」の愛徳学園ですね。(校長 松浦直樹)