【愛徳生と避難訓練】

 本日の避難訓練は小中高合同での実施でした。中高は地震後の火災の想定場所が3階の化学実験室だったので避難経路はやや遠回りになったのですが、皆落ち着いて迅速な避難ができたと思います。小中高全学年の整列まで3分45秒でした。しかし、これは訓練とわかっているから落ち着いてできたのでしょうか。もし「どうせ訓練だ」と思っている人がいたとしたら恐ろしいことです。「地震や火事など起こらないだろう」「私はきっと大丈夫」などという根拠のない自信は危険です。本日は訓練でしたが、日本に住む以上、地震を避けて通ることはできません。実際に災害が起こった時に、一人の命も失わないための備えは、どれほどしてもしすぎることはないでしょう。

 2011年の東日本大震災の時に、海からわずか500mしか離れていなかった釜石東中学校と鵜住居(うのすまい)小学校の生徒や児童約570名は地震と同時に避難をはじめ、押し寄せる津波から生き延びることができました。これは「釜石の奇跡」とよばれています。もちろん彼らの家という家は大きな被害にあい、多くの人の命が失われたことは悲しい現実です。釜石東中学校でも事前に避難訓練があったそうですが、この中学校の避難訓練は真剣そのものだったそうです。他人事ではなく自分事の思いで取り組む姿勢が人の命を救ったのです。「釜石東中学校の防災の狙い」の「命を守る3つの柱」は以下のとおりです。

①自分の命は自分で守る②助けられる人から助ける人へ③防災文化の継承(出典:内閣府『ぼうさい第64号』)

 これらは、そのまま私たちの命を守る柱になるでしょう。(校長 松浦直樹)