2023年度も終わりです(『ホアキナ通信第8号』より)

 なんとか2023年度末を迎えることができました。昨年4月に私は、新型コロナウイルス感染症の5類以降に伴いすべての行事を制限なしで実施することを紹介し、行事では「ぜひ学園に足をお運びください」と『ホアキナ通信』でお伝えしました。以後、保護者の皆様におかれましては何度も学園にお越しいただき心より感謝申し上げます。保護者会や行事では温かい声をかけていただいたことで教職員一同ずいぶんと励みになりました。これからも愛徳教育へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 今年度は「笑顔と挨拶」を学校目標に掲げました。笑顔と挨拶が当たり前の文化になれば学校は明るくなります。明るくなれば登校するのが楽しくなります。学校が楽しくなるとHRや授業が活発になるでしょう。つまり、学校が楽しくなれば学業にもよい影響を及ぼすのです。これは「笑顔と挨拶」がもたらす相乗効果です。もちろん、スローガンは単に掲げるだけではいけません。私はこのスローガンを掲げはしましたが、それをそれぞれの学年のカラーに合わせて伝え、実践してくれた学年団の先生方、そして何より―これがもっとも重要なことですが―生徒自身が「笑顔と挨拶」を行動で示してくれたことが結果に繋がったのです。年度末の学校評価アンケートにおいても学校が明るくなったことを実感しているという意見が多数寄せられていました。これはスローガンが単なる目標でなく、生活に溶け込んできたことを示す結果と捉えることができます。来年度も引き続きこの「愛徳の文化」を継承・発展させていきたいと考えています。

 

 さて、学年の終わりですので、私が各学年と接してみた感想を簡潔にまとめておきたいと思います。

 

 中1の皆さんは月2回ほどの「総合的な探究」の授業を担当しましたから大変親しく接することができました。特に中学生らしい元気さと純粋さで何事にも協力的だったのが印象的です。この学年は私の授業の道具を運ぶのを必ず手伝ってくれます。また、毎週の名言コーナーでもっとも多くの感想を書いてくれた学年でもあります。ギターで歌った聖歌は来年もぜひ元気に歌い続けてくださいね。

 中2の皆さんは何と言っても5月の静修合宿で2泊3日の生活をともにすることができて一気に距離が縮まりました。中2の皆さんはいつも上品な笑顔が持ち味で、廊下などで出会った時は少し遠慮がちに、しかし必ず屈託のない笑顔で手を振ってきます。トライやるウィークの報告会では全員がたくましく成長した様子をプレゼンしましたが、誠実な態度で仕事と向き合ったことがよく伝わりました。

 中3はやはり合唱コンクール、体育大会、学園祭、そして静修修学旅行などの行事を通してどんどん絆が深まっていった学年です。そしてこれらの行事を一つひとつ乗り越えることでもっとも成長した学年だったといえるでしょう。私(たち)との合言葉は言うまでもなく『YDG』(やればできる学年)です。思春期から青春期へ。これから次のステージで誰もが輝いてくれると確信した学年です。

 高1は人数の少なさをものともしないエネルギーと将来性を感じる学年でした。実際欠席も少なく私は密かにGJG(元気印学年)と思っていました。3人の全校委員メンバーとは特に接する機会が多かったのですが、高1は下校時や廊下では誰に出会っても笑顔で挨拶を返してくれる姿がとてもすがすがしい学年です。次の全校委員も3人いますので、今以上によく知り合えると期待に胸が膨らむ学年です。

 高2は粒ぞろいの学年です。負けん気が強く、本物の強さを感じることが多いです。自立心があり、大人が何か言わなくても自ら行動に移せる人が多い学年です。また、図書室で自学自習に励むメンバーも多く、努力家の集団です。個人差はあると思いますが、できる人が進んでやるという文化があり、「この人に頼めば安心」と思える人材の宝庫です。特に愛徳初となった台湾修学旅行ではどの研修も積極的で主体的に取り組んでいました。私はこの旅行を機にぐっと絆が深まったと勝手に思っています。

 高3は2月に卒業しましたが、エネルギーに満ち溢れた団結力、全校生徒を惹きつけた行動力と牽引力、圧倒的強さで決めるときは決める学年でした。そしてどんな行事やイベントでもその期待を裏切らない学年とでも表現できる学年でした。誰がステージに立っても必ず結果を出してくれる、そんな期待と安心感を抱く学年だったと思います。きっとこれからは自ら考え、人に奉仕し、充実した人生を歩むでしょう。

 

 以上、簡潔に書きましたが、どの学年の生徒も愛徳生らしい慎ましさのなかにも現代的な人懐こさを兼ね備えたまことにバランスのよい、個性あふれる6学年でした。またどの学年もまだまだ伸び代があると思いますので、「これくらいでいい」と思わず時には貪欲に、「もっとやれる」という向上心を持って次の学年へ進級してほしいと思います。(校長 松浦直樹)