【学園祭、盛大!】

 エンディングに集まった人たちを講堂の後ろから見ていて胸が熱くなりました。400以上用意した椅子はすでに満席。そしてその周りや後方にも100人を超える立ち見の人たちで埋め尽くされているのです。保護者委員会の司会の方の「Here We…」に対する数百人の「BINGO――!」という返事が会場いっぱいに響き渡ります。前日の校内祭でのステージ発表の後に自然におこったアンコールも会場が揺れるほどの明るい声でした。

 

 いつもならここで生徒たちの名前を挙げて、その成果を称えるところでしょう。皆様もそれを期待していると思うのですが、それは困難です。全校委員にはじまり、実際にステージに立った人、放送・照明などずっと裏方でがんばっていた各種委員会の人、クラス模擬店で企画・準備・運営・お客様対応を担当した人、文化発表・展示発表にこつこつ取り組んだ人、黙々と準備や片付けを行ってくれた人など、この学園祭に関わった人たちを挙げると、全愛徳生になるからです。エンディング後に全校委員が椅子片付けを始めると、その場にいた卒業生たちも次々とお手伝いをしてくれるという事実も特筆すべき点です。それは本当に気高く強く美しい姿でした。そうして、その生徒たちのがんばりを最も身近なところで支え、応援してくださったご家族の皆様、何よりも連日生徒たちとともに準備に汗を流し、生徒が下校してからも夜遅くまで身を粉にして働いていた全教職員には感謝してもしきれません。これらすべての人たちの努力なくして学園祭は成功しなかったでしょう。それほど、この学園祭は「愛徳ワンチーム」「愛徳ファミリー」を感じる行事だったのです。

 

 学芸発表会や文化発表会という名称から学園祭まで、時代とともに名称は変化してきましたが、文化部を中心とする発表はもちろん、愛徳生の日頃の授業の成果を展示するというスタイルは変わっていません。変わってゆくものと変えてはいけないもの。これからも私たちは生徒とともにこのテーマと向き合っていきます。

 

 最後に、学園祭前日の夕陽が素晴らしくて感動したのですが、本日皆様が帰られたあとの夕陽はまた格別でした。それはきっと会場を後にされるすべての人が笑顔だったからに違いありません。今、私のこの文章を読み、そのとおりだと感じていらっしゃる方。それは愛徳生の笑顔とエネルギー、そしておもてなしの心が皆様の心に届いたからなのだと確信しています。本日はまことにありがとうございました。(校長 松浦直樹)