ゆるがない教育(愛徳新聞より)

今年は新型コロナウイルス感染予防対策として、全国規模で3月から臨時休校となりました。愛徳学園中・高等学校では急遽新型コロナウイルス対策チームを発足して感染拡大防止対策をとってきましたが、解除時期の見通しが立たない休校措置は、長期化すれば生徒達にとって学習面での悪影響が出る事が心配されました。 しかし、幸いにも本校では以前よりICT(情報通信技術)教育を推進しており、日常的にタプレット端末を使った授業が行われていたため、生徒の ICT活用スキルが身についておりすぐにオンライン授業を行うことが可能でした。各家庭のネット環境整備への協力があり、高2の春期講習は学習支援アプリを使用した双方向型オンライン授業で実施することができました。

 

新年度に入っても新型コロナウイルス感染予防のために始業式から休校となる異例づくしの展開となりました。本校では新学期開始直後から (中学1年生のみ5月)引き続きオンライン授業を実施しました。液晶画面を長時間見続けて学ぶ生徒にとって、1日4時間の授業は大変な集中力が必要とされ、対面授業に比べて大きな疲労感が伴ったと思います。しかし、6月の登校再開後の生徒へのアンケートからは、「何度も繰り返して学ぶことかでき、個人的に質問ができるので自分のペースで学習をすることができた」という声が聞かれるなど、生徒たちは確かな学びができていたことが窺えました。そして、学校で当たり前に行われていた対面授業の中に、友達と共に学ぶことの大切さと楽しさがあったことに気付いた様子でした。生徒達にとってのこの休校中の様々な経験は、その後の学校生活に活かされ、毎日の授業の中に集中して取り組む姿として現れています。

 

また、オンライン授業をいち早く取り組んだことがマスコミに注目され、新聞やテレビの取材を受ける機会がたくさんありました。11月24日に行われた公開授業でも、生徒達の情報機器活用力・思考カ・プレゼンテーションカなど「Rainbow Program」 で培われた力が発揮され、教育関係の参加者から高い評価が得られました。本校の総合的な教育水準の高さが示された結果であったと考えられます。

 

学校再開後はすべての教育活動に新型コロナウイルス感染予防の対策を取り、毎日の消毒作業を教職員の手で行い、 生徒も三密を避け、 消毒をこまめに行うなどの対策を実行してきました。 1学期の合唱コンクール・学園祭や宿泊行事などの学校行事のほとんどが中止となり、 短い夏休み後の2学期も体育大会・バザーなどが中止になりました。しかし、 教育活動として大切な行事の目的を達成させるために、生徒とともに教職員がアイデアを出し合って代替行事に取り組みました。体育大会の代替として行った 「スポーツフェスティバル」 では 、生徒達が心を一つにして仲間との絆を深めました。11月には高2の修学旅行先を沖縄から長崎に変更して実施し、中2の職業体験は校内で多数の卒業生から体験談を聞く「職業人に学ぶ」 に、校外で実施予定であった高1の芸術鑑賞を校内での 「演奏会」 に変更するなど、コロナ禍でも学びを止めない取り組みを行ってきました。

 

そして、 現在も新型コロナウイルス第3波の感染拡大期を迎えて益々厳しい状況の中に置かれていますが、 この試練を愛徳学園では生徒・職員が心を一つにして乗り越えて参りますので、引き続き皆様のご協力とご支援をお願いいたします。

 

 

校長  宮 内 健 一

(愛徳新聞 2020年12月18日)