「記録的な暑さ」という言葉が耳から離れなかった2024年が終わりますが、ここにきてようやく冬らしくなってきました。体調管理に気を配り、安全に冬休みを過ごしてほしいと思います。
さて、2学期を終えるにあたり、この4ヵ月を総括してみようと行事の一覧表を見直していますと、その時のことが次から次へと思い出され、あらためてこの学期は、時間も内容も密度の濃い学期だったということを再認識しました。何でもやってみたい、この目で見てみたい、と思う性格からかもしれませんが、学校全体の行事だけでなく、各学年のイベントや普段の学校生活まで、可能な限り実際に見てきましたので思いがあふれてきます。私でさえそう思うのですから、当該学年の先生方はきっとその何倍もの感動を味わっておられるでしょう。そこで今回、図々しくも、学期末で忙しくされている先生方に対して職員室で出勤直後の突撃インタビューを実施してみることにしました。学年主任の先生方がどういう観点で皆さんとかかわり、皆さんのことを応援してきたのかもよくわかりましたので、せっかくの機会ですから、そのやりとりをこの『ホアキナ通信』に載せることにしました。インタビューの内容は「この2学期で学年が成長した行事や、成長を感じた場面を教えてください」というシンプルなものです。
中1の木村先生は、まず「体育大会の応援合戦!」と即答されました。「何といっても自分たちで創り上げた応援合戦は本当に成長を感じたし、彼女たちの可能性を感じた」ということです。また、「ものづくり体験」では「彼女たちはものをつくるのが好きで、内容も上手で感心した」そうです。「イングリッシュセミナー」では積極的に英語を使うことができていたと感心されていました。「生徒たちの中には『中学生になってから英語が好きになりました』という人もいました。」木村先生は、「2学期はとにかく笑いが増えました。毎日大笑いです」と強調されていましたが、終始明るくお話しくださっている彼女の笑顔もひときわ輝いているようでした。
中2の齋藤先生は「ベスト3を挙げるとするならば、1位は体育大会の学年対抗リレーですね。もうこれは断トツです。本当に感動しました」と涙ぐんでいらっしゃいました。彼は続けます。「2位と3位は同じくらいですが、やはり『トライやるウィーク』と『学園祭』ですね。『トライやるウィーク』は、中学生が社会に出て働くという、普段経験できないことをさせていただいたことで何かぐっと変わったと思います」と齋藤先生。具体的にどんなことかを聞きますと、「トライやる明けの最初の月曜日は掃除が早かった」ことを挙げてくださいました。「でも火曜日からは元に戻ってしまいました」と笑いがこぼれます。学園祭のゲームでは「小さな子どもたちを相手に、持ち前の明るさで皆を楽しませていました」と喜びをかみしめておられました。
中3の坂下先生は「1位は体育大会の準優勝です。生徒たちはできるし、団結力もあるし、本当によくがんばった」と笑顔でした。「合唱コンクールも上位ですが、1学期の行事なので2位は『いぶき明生支援学校』との交流です。思いやりあふれる1日になったし、愛徳生はもちろん支援学校の先生も生徒の皆さんも大変喜んでくださいました。後日クリスマスカードを贈りました」と坂下先生も感無量なようすでした。あと、「学びの姿勢が変わりました。注意を受けることもあるのですが、よくほめていただきました」とおっしゃっていました。思春期から青春期へ確実に成長している中学3年生。もちろん「静修修学旅行」も、その「事前学習」も、体験そのものが成長につながったと私も実感しています。
高1の松森先生は「やはり職業インタビューがもっとも成長した体験かもしれません。外部の方々へ直接連絡し、緊張感をもって学んでくれたと思います」と感慨深げに話してくださいました。「あとは探究でのグループ活動や体育大会・学園祭でのぶつかり合いからの成長で、そういう経験から学年が一つになっていった」と振り返っておられました。「一歩一歩前進という感じなのですが、1学期に比べてずいぶん高校生らしくなったと思います」と松森先生。最後は少し遠慮がちに「勉強は少しずつですが、これも高校生らしく」と付け加えられました。私も図書室で自習に励むメンバーを見ていますと顔つきが本当にしっかりしてきたと思っています。さすがYDGですね。
高2の米田先生は「やはり静修修学旅行ですね。この3泊4日を機に周りが見えるようになったと思います」「彼女たちが仲間とともに行った海外での初めての体験で視野が広がったようです」とおっしゃっていました。また、「全校委員や部活動、放送委員や感想文などの個人の活躍も素晴らしく、これらの活躍からも全体が見られるようになった」と話されていました。そういう体験や活躍も「彼女ら自身のがんばりで伸びてくれている」と常に生徒のがんばりや努力を微笑んで支えている様子がよくわかりましたし、そのことが聞けて安心できました。私も62回生との濃い4日間で皆さんの優しさや温かさに改めて気づかされました。帰ってきてからの、より強くなったファミリー感も嬉しく思います。
高3の三好先生は61回生について、「とにかく何事も一つひとつが最後という気持ちで丁寧に取り組んでいることが嬉しいことです」と穏やかに語られました。「今日も『最後の聖堂訪問』とか『最後の授業』というように、一日一日を大切にしてくれているのが本当に嬉しいです」と三好先生。高3の2学期は行事というよりは進路講演や卒業生講話といった卒業に向けてのメッセージ的なイベントが多かったと思いますが、この辺りを聞くと「卒業生講話の一つひとつはもちろん、ビスカルドさんの話や小峠先生の話、校長先生の話がいいタイミングで想像以上にハマったと思います。ちょうど今必要な時に『燃料投下!』という感じでみんなの心にすっと入ったんだなと思いました。」
すべての学年主任の先生方は突然のインタビューにも嫌な顔一つせず、むしろ笑顔で皆さんの頑張りや成長を語ってくださいました。皆さんの2学期はいかがでしたか。それでは、2025年1月8日に元気に会いましょう。(校長 松浦直樹)