【「させていただく」ということ】

 今週の月曜日と火曜日に、全校委員の人たちが垂水駅周辺で能登半島地震による災害復興支援のための街頭募金を行いました。両日とも夕方2時間ほど愛徳生の大きな声が響きます。「私たちは愛徳学園中学高等学校です。能登半島地震による災害復興支援のための募金活動を行っています。ご協力よろしくお願いいたします。」

 寒い中、帰宅を急ぐ人たちが足を止め、「大変な地震だったよねえ。ありがとうね」ですとか、「どこの学校?愛徳学園?知っていますよ。がんばって」という声をかけくださいます。バス停に一旦荷物をおいてから走って戻ってきてくれた小学生。愛徳学園の幼稚園や小学校の園児・児童たち、そして卒業生の方々……。中には学校で募金したあとに、下校中の愛徳生が「寒いけどがんばって」と友だちに声をかけてふたたび募金してくれる場面もありました。また2日間とも募金に協力してくださる方もいらっしゃいました。岡﨑さんは「さっきの方、昨日も来てくださったんです。本当にありがたいです」と感激した様子でそっと私に伝えてくれました。募金活動をとおして街の人々の優しさに触れ、能登半島への思いで皆が一つになっていくというのを肌で感じているのです。まさに奉仕活動は「させていただく」ものであることを実感していました。ちなみに愛徳学園理事長(シスター上田)も生徒と一緒に活動に参加されていました。

 

 愛徳学園は老人ホームなど近隣の施設に交流に行くこともあるのですが、例えば昨年末の吹奏楽部の特別養護老人ホーム「オレンジ」でのクリスマス演奏の時も、社会奉仕部の老人保健施設「舞子台」訪問の時も、奉仕活動に参加した生徒たちの方がたくさんの元気をいただいて感謝のうちに帰ってきているのです。

 

 「してあげる」ではなく「させていただく」ということ。毎日全校生徒で実施している愛徳学園の清掃活動の様子を見ても、日常にこの精神が根付いている場面に何度も出会います。この「愛徳文化」を大切に、大切に育ててゆくことが私たちの使命であると再確認しました。(校長 松浦直樹)