【1学期の愛徳生たち➁】

 本日は愛徳学園の朝やお昼などの日常の様子についてです。

 

 まず、愛徳学園の朝は大変落ち着いたものです。担任の先生が教室にさっそうと登場する前に、登校している生徒たちは全員静かに読書しているのですが、この様子には感動しました。まだ先生が教室にいないのに、どの教室も、です。その姿がまた自然でほのぼのとしており、今日は絶対に良い1日になる前兆のような空気感です。中学生も高校生もまさに全クラス・全生徒が同じ時間を過ごしているのです。愛徳生にとっては毎日のことですから当たり前の姿なのでしょうが、私のように初めて目にした者にとっては新鮮で、感動の場面です。『狭き門』で有名なフランスの小説家アンドレ・ジッドの名言「平凡なことを毎日平凡な気持ちで実行することが、すなわち非凡なのである」を思い出します。

 

 もう一つ感心するのはお昼休みの終わりを告げるチャイムのあとです。チャイムが鳴り終わってしばらくすると、校舎内に高橋みどりさんの『I Will』(インストゥルメンタル)がおごそかに流れます。そうするとすでに着席している生徒は静かに暝目します。暝目とは単に目を閉じるだけでなく、自分と向き合い、心を落ち着かせ、祈るとき、神様と出会うときにもするものですが、これを約5分間じっくり行い、午後の授業に備えるのです。こういう文化も愛徳学園の誇りです。また、毎日の清掃活動は終礼の前にこれも全校生徒で行うのですが、清掃に取り組む姿は奉仕精神に満ちておりこれも非常に気持ちよいもので、まさに小規模校のなせる技でしょう。さらに毎週金曜日のお昼休みには放送委員会が聖書のお話をしてくれますが、実は私はこの放送を密かに楽しみにしているファンの一人なのです。ちなみに放送委員の高2藤井さんは6月4日に行われた第70回NHK杯高校放送コンテストの神戸地区予選のアナウンス部門で佳作をいただいています。

 

 下校時刻の少し前には浜田省吾さんの『悲しみは雪のように』がこれまたインストゥルメンタルで流れます。私はこのミュージシャンが大好きで、よくコンサートに行きましたので、下校していく生徒を見送りつつ放送に合わせてこの曲を歌っていますと、それを聴いていた生徒は思わず「この曲に歌詞があるのですか!」とちょっと感動した様子でした。いずれどこかでこの曲のギター弾き語りでもしようかとたくらんでいるところです。(校長:松浦直樹)